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北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群
概要
北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群は、ユネスコの世界遺産(文化遺産)暫定リストへ追加掲載が決まった北海道・北東北にある史跡の総称。遺跡は北海道・青森・岩手・秋田の1道3県に点在しています。 日本列島の全域に及んだ縄文文化の中でも、広く落葉広葉樹林が展開した時期における東日本のそれは、食料資源の安定化とその利用技術の発展による定住生活域の拡大、集落の大型化、土偶や石棒などの祭祀具の急増などの傑出した内容を示しています。 特に、北海道・北東北を中心とする地域では、円筒土器文化・十腰内式土器文化・亀ヶ岡式土器文化などの縄文時代を代表する独特の地域文化圏が繁栄し、特に亀ヶ岡式土器の文化は遠く近畿・中四国地域や九州地域に至るまで影響を及ぼしました。縄文遺跡群は、海岸部・河川流域・丘陵地帯などの多様な地形に位置する集落跡・貝塚・環状列石・低湿地遺跡などから成り、食料資源が豊富な落葉広葉樹林や海・河川といった自然環境への適応の在り方とそれに伴う定住の確立・展開の過程を顕著に示しています。 世界遺産登録基準における(iii)(iv)の要件に該当すると考えられており、推薦書に記載されいている内容は次の通りです。
  • (iii)縄文文化は、自然と共生し、1万年間もの長きにわたり繁栄、成熟した定住的な採集、狩猟、漁労文化であり、その具体的な証が考古学的遺跡の縄文遺跡である。日本の歴史の大半を占め、現代の生活や文化の基礎となったことから、日本の基層文化と考えられる。北海道・北東北では、縄文文化を育んだ植生環境が現在でも良好な状態で保全されているとともに、現代の生業や精神活動の中にも自然と共生した縄文文化の伝統である有形、無形の文化的要素が数多く見られる。
  • (iv)竪穴建物は、縄文文化を代表する半地下式の建物構造である。日本列島においては縄文時代以降、近世初頭まで継続して見られ、日本の風土に適した建物構造の典型的な見本である。また、掘立柱建物は、縄文時代に成立し、その後の高床構造の大型建物等の技術的規範となったものと考えられる。集落では、居住や生業活動に適した土地を意図的に選地し、住居、墓地、祭祀空間、貯蔵施設、捨て場、道路などを計画的に配置しており、土地利用の社会的規制が見られ、これらは後世の都市計画に繋がる土地利用の萌芽と思われる。さらに、集落やその周辺には、食料などの有用資源の維持・管理を目的とした人為的な生態系が成立していることが明らかとなっており、能動的な植生環境の整備は後世の里山の成立に大きな影響を与えたものと考えられる。


首里城跡
三内丸山遺跡
今帰仁城跡
亀ヶ岡・遮光器土偶
構成資産

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